【2026年・第19回】持続化補助金の採択率が低下中。診断士が教える書き方のコツ

【2026年・第19回】持続化補助金の採択率が低下中。診断士が教える書き方のコツ

小規模事業者持続化補助金の第19回公募が始まっています(申請締切:2026年4月30日)。

「申請すれば通る」と思っている方もいるかもしれませんが、近年の採択率は大きく下がっています。第15回・第16回公募では採択率が30〜40%台にまで低下しました。つまり、半数以上の事業者が不採択になっています。

これは応募する母数が増えたということもありますが、本当に自社のタメになる事業計画となっているかという点が問われているのです。

審査のポイントを押さえて、「当社のタメになる」計画書を書けば、採択の可能性は十分にあります。

この記事では、中小企業診断士として持続化補助金の申請を支援してきた経験をもとに、第19回の変更点と、経営計画書・補助事業計画書の書き方のコツを解説します。

「そもそも持続化補助金って何?自分は対象になるの?」という方は、まずこちらの記事をご覧ください。


第19回(2026年)の主な変更点

まず、第18回からの変更点を押さえておきましょう。

創業型の要件が厳格化

創業型(創業枠)の対象が「創業後1年以内」に厳格化されました。以前より対象期間が短くなっているため、創業型での申請を検討している方は早めの準備が必要です。

補助対象外経費の追加

図書等の資料購入費が補助対象外に追加されました。書籍代やデータベースの利用料などを経費に含めて計画していた方は、見直しが必要です。

米国関税の影響に伴う加点の新設

米国関税の影響を受ける事業者に対する加点が新設されました。該当する場合は、申請書にその影響を具体的に記載することで、加点を受けられる可能性があります。

採択率の低下傾向は続く

前述のとおり、採択率は低下傾向にあります。「とりあえず出してみよう」では通りにくい時代です。だからこそ、計画書の質が勝負を分けます。


経営計画書で押さえるべき3つのポイント

持続化補助金の申請で最も重要なのが「様式2-1」の経営計画書です。ここで審査員に「この事業者は現状をしっかり把握している」「取り組みに根拠がある」と思ってもらえるかどうかが、採択・不採択の分かれ目になります。

ポイント①:顧客目線で「自社の強み」を言語化する

「自社の強み」というと、特許技術や圧倒的な価格競争力を思い浮かべるかもしれません。しかし、審査員が見ているのは「なぜお客さんがあなたの店(会社)を選んでいるのか」です。

たとえば、ある飲食店のケースでは「地元産の旬の食材を使った日替わりメニュー」が強みでした。大手チェーンにはできない、地域密着型の強みです。

「お客様がリピートしてくれる理由は何か?」と考えると、言葉にしやすくなります。

ポイント②:数字で語る

経営計画書に説得力を持たせるには、数字が不可欠です。

  • 直近3年の売上推移
  • 主要顧客の構成比(法人○%、個人○%)
  • 客単価や来店頻度の変化

「売上が減少している」ではなく「2023年の売上○○万円が、2025年には○○万円に減少(○%減)」と書くだけで、説得力が大きく変わります。

ポイント③:写真・図表で「伝わる」計画にする

審査員は多数の申請書を短時間で読みます。文字だけがびっしり並んだ計画書は、どうしても読みづらくなります。

店舗の外観・内観の写真、商圏の地図、売上推移のグラフなどを入れるだけで、格段にわかりやすくなります。「一目で伝わるか?」を意識してみてください。


補助事業計画書で差がつく書き方

経営計画書で「現状と課題」を示したら、補助事業計画書で「だからこの取り組みが必要だ」と説得する流れです。

具体的な実施内容とスケジュール

「ホームページを作る」ではなく、「ターゲット顧客(30〜40代の共働き世帯)に訴求するランディングページを制作し、Google広告と連動させて月間○件の問い合わせを目指す」のように、5W1Hを明確に記載します。

実施スケジュールも月単位で記載すると、計画の実現可能性が伝わります。

効果は定量的に書く

「売上アップを目指す」ではなく、「新規顧客を月○件獲得し、年間売上を○○万円(○%増)にする」と数値目標を明記します。

目標が高すぎても低すぎても、審査員は妥当性を疑います。現実的な根拠をもとに設定しましょう。

「なぜこの経費が必要か」のストーリー

補助対象経費は、経営計画で示した課題の解決と直接つながっている必要があります。

「集客が課題 → だからチラシを作る」ではなく、「ターゲット顧客が居住する○○エリアへのポスティングで認知度を向上させ、来店率○%を目指す。そのためにチラシ制作費○万円が必要」と、課題→施策→効果→経費のストーリーをつなげてください。


よくある不採択パターンと改善策

支援の現場で見かける、不採択になりやすいパターンをまとめました。

計画が抽象的すぎる

「新規顧客の獲得」「売上向上」といった一般的な表現だけでは、審査員に伝わりません。「誰に」「何を」「どのように」を具体的に書きましょう。

自社の強み・市場分析が不十分

「競合は特にいない」「強みは品質の良さ」——こうした記載では差別化が見えません。商圏内の競合を具体的に挙げ、その中で自社がどんなポジションにいるかを示すことが大切です。

経費の妥当性が説明できていない

見積もりの根拠がない、相場と大きくかけ離れている、といったケースは不採択のリスクが高まります。複数社から見積もりを取り、金額の妥当性を示しましょう。


申請前にやっておくべき3つのこと

最後に、申請までに準備しておきたいことをお伝えします。

1. 商工会議所への早めの相談

申請には、商工会議所(または商工会)が発行する「事業支援計画書(様式4)」が必要です。この様式4の受付締切は4月16日で、申請締切の2週間前に設定されています。

商工会議所の担当者と面談し、事業内容を説明する時間が必要なので、遅くとも3月中には相談に行くことをおすすめします。

2. 申請はすべて電子申請

第19回公募では、申請はすべて「Jグランツ」(電子申請システム)を通じて行います。GビズIDプライムのアカウントが必要ですので、まだ取得していない方は早めに手続きしてください(発行まで数週間かかる場合があります)。

3. 専門家に計画書を見てもらう

自分で書いた計画書は、どうしても「書いた本人にはわかるけど、第三者にはわかりにくい」という状態になりがちです。中小企業診断士や商工会議所の経営指導員に一度見てもらうと、改善点が見つかることが多いです。


まとめ

持続化補助金の採択率は低下傾向にありますが、審査のポイントを押さえた計画書を作れば、十分に採択を狙えます。

大切なのは、「顧客目線の強み分析」「数字による裏付け」「経費の妥当性」の3点です。

第19回の申請締切は2026年4月30日。準備期間を考えると、今から動き出すのがベストなタイミングです。


馬郡中小企業診断士事務所では、持続化補助金の申請に関する無料相談を受け付けています。「計画書を見てほしい」「書き方がわからない」など、お気軽にご相談ください。

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